After EffectsのSin実践編で、位置にMath.sinを入れて規則的な上下の浮遊から作ることを説明した会話型図解
Sin実践編では、揺らす対象を用意し、位置への「Math.sin」の適用から速さ・大きさの調整までを順番に確認していきます。
After EffectsのSin実践編で実施する5ステップ(対象作成・位置にMath.sin・速さ/大きさ調整・応用・仕上げ)をまとめたダイジェスト図解
この記事でできること

位置にMath.sin式を入れて、規則的な浮遊を作る手順がわかる
速さ(timeに掛ける数)と大きさ(Math.sinに掛ける数)の調整がわかる
振り子・鼓動・円運動・複数レイヤーの位相ずらしの作り方がわかる

※Sinの考え方から確認したい方は、理解編をご参考ください。

Sin実践編のゴールは、「規則的に繰り返す揺れを付ける」こと

After EffectsのSin実践編で、静止した図形が位置へのMath.sinで規則的に上下する完成形へ変化する流れを説明した図解
今回作るSinモーションの特徴

規則正しく上下する浮遊を位置に付ける

速さ・大きさで往復のリズムと幅を整える

振り子・鼓動・円運動・位相ずらしまで広げる

作業前に準備するもの

サナ
サナ
いきなり式を入れる前に、何を用意すればいいですか?
シン
シン
Math.sinも揺らしたいレイヤーのプロパティに入れる式なので、先に「揺らす対象」を1つ作っておきましょう。シェイプでもテキストでも大丈夫ですよ。

After EffectsでMath.sinを使う前に、コンポジション作成、揺らす対象作成、位置プロパティを開く、Alt+クリックの確認を行う流れを説明した図解Math.sinを入れる前に、コンポジション、揺らす対象、位置プロパティ、Alt+クリックの場所を確認しておきます。

下準備1:コンポジションを作成する

新規コンポジションを作成します。練習用なので、次のような設定で問題ありません。

コンポジション設定の例
  • サイズ:1920×1080px
  • フレームレート:30fps
  • デュレーション:5秒

下準備2:揺らす対象のレイヤーを作る

Math.sinで揺らす対象を1つ用意します。今回は分かりやすいように、シェイプの正円テキストのどちらかを作ります。

揺らす対象の例
  • シェイプ:楕円ツールでShift+ドラッグして正円(塗りあり)
  • テキスト:横書き文字ツールで「Sin」などの短い文字
  • 位置:整列パネルで画面中央に揃えておく

下準備3:式を入れる場所を確認する

「Math.sin」は、レイヤーのプロパティに入力するエクスプレッションの中で使用します。

Math.sin式を入れる流れ

レイヤーを選択

プロパティを開く(位置なら P キー)

ストップウォッチを Alt(Mac:Option)+クリック

式の入力欄に Math.sin(…) を書く

※Pキーで「位置」、R キーで「回転」、Sキーで「スケール」、Tキーで「不透明度」のプロパティだけを表示できます。
今回は位置→回転→スケールと触っていくので、覚えておくと便利です。

実践編1:位置にMath.sinを入れて上下に揺らす

サナ
サナ
対象は作れました。まずはどんな揺れから作るのがいいですか?
シン
シン
位置を上下に規則的に揺らす「浮遊」から作ってみましょう。Sinらしい動きが一番わかりやすいですよ。

After Effectsで位置プロパティを開き、ストップウォッチをAlt+クリックして上下に揺らすMath.sin式を入力する流れを説明した図解位置プロパティをPキーで開き、ストップウォッチをAlt+クリックして上下に揺らすMath.sin式を入力し、再生で浮遊を確認します。

手順1:位置プロパティを開く

タイムラインで対象レイヤーを選択し、Pキーを押して位置プロパティを表示します。

手順2:ストップウォッチをAlt+クリックする

位置の左にあるストップウォッチマークを、Altキー(Mac:Optionキー)を押しながらクリックします。式の入力欄が開き、ストップウォッチが青く点灯します。

手順3:上下に揺らす式を入力する

入力欄に、次の2行の式を入力します。

y = value[1] + Math.sin(time*3)*50;

[value[0], y];

これは「横(X)は元の位置のまま、縦(Y)だけMath.sinで上下に揺らす」という意味です。

式の意味

value[1]:元の縦位置(揺れの中心)
Math.sin(time*3):−1〜+1を規則的に変化(time*3で約2.1秒に1周期)
*50:元の縦位置を中心に、上下へ±50pxを目安に動かす
[value[0], y]:横はそのまま、縦だけ揺らした値を返す

※位置は[横, 縦]の2つで1セットです。「value[0]」が横、「value[1]」が縦を表します。

手順4:プレビューで揺れを確認する

プレビューを再生して、対象が規則正しく上下に揺れているか確認します。

・位置の式がON(ストップウォッチが青)になっている
・再生すると対象が一定リズムで上下している
・キーフレームを1つも打っていないのに往復している

Q&A:式を入れても揺れない場合

サナ
サナ
式を入れたのに、止まったまま動きません……。
シン
シン
まずはストップウォッチが青く点灯しているかプレビューを再生しているかを確認しましょう。
  1. ストップウォッチが青く点灯(エクスプレッションON)になっているか確認する
  2. プレビューを再生しているか確認する
  3. 式を入れたプロパティが「位置」になっているか確認する
  4. 大きさ(*50 の部分)が小さすぎないか確認する

Q&A:式の入力でエラーが出る場合

サナ
サナ
2行の式を入れたら赤い警告が出ました。
シン
シン
1行目のセミコロン2行目のカギカッコを確認しましょう。配列の書き方でつまずきやすいところです。
  1. 1行目の終わりに ;(セミコロン・半角)があるか確認する
  2. 2行目が [value[0], y] のようにカギカッコ [ ] で囲まれているか確認する
  3. Math.sin の「M」が大文字、残りが小文字になっているか確認する
  4. カッコ・カンマ・記号がすべて半角になっているか確認する

実践編2:速さ・大きさで揺れ方を整える

サナ
サナ
揺れは出たんですけど、もう少しゆっくり、控えめにしたいです。
シン
シン
time に掛ける数で「速さ」、Math.sin に掛ける数で「大きさ」が変わります。2か所を別々に触ると整えやすいですよ。

After EffectsのMath.sinで速さ(timeに掛ける数)と大きさ(Math.sinに掛ける数)を変えたときの揺れ方の違いを比較した図解サインの揺れは、速さ(timeに掛ける数)と大きさ(Math.sinに掛ける数)を分けて調整すると整えやすくなります。

速さ:「timeに掛ける数」で決める

Math.sin(time*3)3の部分が速さです。数字を大きくすると、速く往復します。

速さの考え方

小さい(例:1〜2):ゆっくりした、ゆったりした往復
中(例:3):浮遊に使いやすい目安(約2.1秒で1周期)
大きい(例:6以上):せわしなく速い往復

目安:time*3(約2.1秒で1周期の浮遊に見せやすい設定。2秒で1周期にしたいときは time*Math.PI。10を超えると震えのように速く見えやすくなります)

大きさ:「Math.sinに掛ける数」で決める

Math.sin(time*3)*5050の部分が大きさ(振幅)です。位置に入れた場合の単位はピクセル(px)です。

大きさの考え方

小さい(例:15前後):控えめで上品な揺れ
中(例:50前後):はっきり分かる浮遊
大きい(例:150以上):大きく上下する揺れ

目安:30〜60(1920×1080では自然な浮遊に見せやすい範囲。200を超えると大きく動きすぎる場合があり、5を下回ると素材によっては気づきにくくなります)

Q&A:揺れがカクカクする・なめらかにならない場合

サナ
サナ
速くしたら、揺れがカクカクして見えます……。
シン
シン
Math.sin自体は連続的な波なので、カクカク見える場合は、速さの上げすぎフレームレート・プレビュー表示の影響を確認してみましょう。
  1. 速さ(timeに掛ける数)を下げる(例:8 → 3)
  2. プレビュー解像度を「フル」にして確認する
  3. 速い往復を残したいときは、後述のモーションブラーを試す

実践編3:振り子・鼓動・円運動に広げる

サナ
サナ
上下の浮遊はできました。他の動きにも応用できますか?
シン
シン
はい、3つ紹介しますね。「回転で振り子」「スケールで鼓動」「sinとcosで円運動」です。入れるプロパティと式を少し変えるだけですよ。

After EffectsのMath.sin応用3パターン(回転の振り子・スケールの鼓動・sin+cosの円運動)を式とセットで示した図解回転の振り子、スケールの鼓動、sinとcosの円運動は、入れるプロパティと式を変えるだけで作れます。

応用1:回転で振り子・首振りを作る

R キーで回転を開き、ストップウォッチをAlt+クリックして次の式を入れます。

value + Math.sin(time*2)*30

これで、元の角度を中心に±30度で左右に振れる振り子になります。回転は数字1つなので、位置のようなカギカッコは要りません。

応用2:スケールで鼓動・脈動を作る

2Dレイヤーのスケールなら、S キーでスケールを開き、ストップウォッチをAlt+クリックして次の式を入れます。

s = Math.sin(time*4)*10; [value[0]+s, value[1]+s]

※このスケール式は2Dレイヤーを前提にしています。3Dレイヤーのスケールに入れる場合は、Zも含めて [value[0]+s, value[1]+s, value[2]+s] のように返します。

横と縦に同じ量を足すので、規則的に伸び縮みする鼓動のような動きになります。

応用3:sinとcosで円運動を作る

位置に、縦は Math.sin、横は Math.cos を組み合わせると円を描く動きになります。位置のストップウォッチをAlt+クリックして次の式を入れます。

r = 100;
x = value[0] + Math.cos(time*2)*r;
y = value[1] + Math.sin(time*2)*r;
[x, y]

r が円の半径です(位置に入れる場合はpx単位の目安)。Math.cos は Math.sin と90度ずれた波なので、縦横を組み合わせると円になります。

Q&A:応用の式でエラーや想定外の動きになる場合

サナ
サナ
スケールや円運動の式で、うまく動かなかったりエラーが出たりします……。
シン
シン
プロパティの種類カギカッコの数を確認しましょう。回転は数字1つ、位置・スケールは2つ(配列)です。
  1. 回転は数字1つ(value + Math.sin(...)*30・カギカッコ不要)
  2. 位置・スケールは2つ([ , ] で囲んで横・縦を返す)
  3. 複数行の式は、各行の終わりに ; があるか確認する
  4. Math.sin / Math.cos の大文字小文字とカッコが半角か確認する

仕上げ:複数レイヤーの位相ずらしとモーションブラー

同じMath.sin式のままレイヤーを複製(Ctrl/Cmd+D)すると、同じタイミングで揺れやすく、不自然に見えることがあります。レイヤーごとにタイミングをずらしたいときは、timeindex を足します。

y = value[1] + Math.sin((time + index*0.3)*3)*50;
[value[0], y]

index はレイヤー番号なので、複製したレイヤーごとに計算上の時間が少しずつずれます。この例では index*0.3 によって、レイヤー番号に応じて約0.3秒ずつタイミングをずらしています。

※time + index*0.3 は、レイヤー番号に応じて計算上の時間をずらす書き方です。0.3の数字を大きくすると、レイヤーごとのタイミング差も大きくなります。

仕上げで触る項目

time + index*0.3:複数レイヤーの位相(タイミング)をずらす
モーションブラー:速い往復をなめらかに見せる
速さ / 大きさ:最終的なリズムと幅の微調整

速い往復をなめらかに見せたい場合は、レイヤーのモーションブラースイッチをオンにし、コンポジション側のモーションブラーも有効にします。動きの速さや素材によって、ブレ方を確認しながら調整します。

まとめ:Sinは「対象 → プロパティに式 → 速さ/大きさ → 応用」の順番で考える

今回のまとめ

1. 揺らす対象レイヤーを作り、位置のストップウォッチをAlt+クリックして、value[1] + Math.sin(time*3)*50 を使った上下揺れの式を入れる
2. 速さ(timeに掛ける数)と大きさ(Math.sinに掛ける数)を分けて調整する
3. 回転で振り子、スケールで鼓動、sinとcosで円運動に広げる
4. time+indexの位相ずらしで複数レイヤーに変化、モーションブラーで仕上げる

うまくいかない時の3チェック

ここまでの手順通りに進めても、思った通りに動かない場合は、以下の3点を順番に確認してください。

うまくいかない時の3チェック

① バージョン・UI言語の確認
After Effects のバージョンや日本語/英語UIによって、プロパティ名・メニュー名が異なる場合があります。位置=Position、回転=Rotation、スケール=Scale として読み替えてください。式(Math.sin)はUI言語に関係なく半角英数で同じです。

② 揺れがプレビューに反映されない/止まって見える
・ストップウォッチが青く点灯(エクスプレッションON)になっているか
・プレビューを再生しているか
・大きさ(Math.sinに掛ける数)が小さすぎないか
・式を入れたプロパティが狙ったもの(位置・回転・スケールなど)になっているか

③ 式でエラーが出る/赤い警告が消えない
Math.sin / Math.cos の大文字小文字、カッコ・カンマ・セミコロンがすべて半角か
・複数行の式は各行末に ; があるか、最後に返す値が正しい形(位置・スケールは [ , ])か
・全角の数字・記号・スペースが混ざっていないか

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基本的な作り方がわかったら、次は関連する表現も確認しておくと、表現の幅が広がりますよ。

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