After EffectsのSin理解編で、数学が苦手でもMath.sin式を1行入れれば規則的な揺れが作れることを説明した会話型図解
Sinの動きは、基本的には揺らしたいプロパティに「Math.sin()」を使ったエクスプレッションを入力することで作れます。

モーション周期表のSinの定義・使う式(Math.sin)・まず押さえる2項目(速さ・大きさ)を1枚にまとめた結論サマリ図解

 

この記事でできること

モーション周期表のSinの動き基本的な作り方がわかる

サイン式の主要パラメータ(速さや大きさ)の読み方がわかる

Sinと相性のいい使いどころがわかる

※「Sin」をすぐに実践したい方はこちらをご参考ください。

モーション周期表のSinは「規則的にくり返す揺れ」の動き

モーション周期表「Sin」の特徴
  • 一定のリズムで、行ったり来たりをなめらかにくり返す
  • 揺らしたいプロパティに Math.sin式 を入れて再現する
  • 浮遊・振り子風・脈動風など、規則的な往復運動を作れる

モーション周期表では、この動きは 9族「Sin(三角関数)」 として分類され、「Sinはサイン波を利用したなめらかで連続的な動き」として整理されています。

After Effectsでは、「Math.sin()」を使ったエクスプレッションで規則的な揺れを作れ、位置だけでなく、回転や拡大縮小などにも応用できます。

「Math.sin()」は、入力値に応じて−1から+1までの値を返します。引数に「time」を使うと、その値が時間とともになめらかに変化します。

この値に振れ幅を掛けてプロパティ値に加えることで、上下や左右などに一定のリズムで揺れる動きを作れます。

※同じ9族には、「Random」があり、After Effectsで不規則な揺れを作る代表的な式として「wiggle()」があります。Math.sin()=規則的なくり返し、wiggle()=ランダムで不規則な変化、と覚えると使い分けやすくなります。

After EffectsのMath.sinが−1〜+1を規則的に往復すること、規則的なSinとランダムなwiggleの違いを示した解説図解

SinはMath.sin式(エクスプレッション)を使う

サナ
サナ
Sinって三角関数の……ですよね?

数学が苦手なので、ちょっと身構えてしまいます……。

シン
シン
計算そのものはAfter Effectsがやってくれるので大丈夫ですよ。

Math.sin式を1行入れるだけで、規則正しい揺れが作れます。

After EffectsでMath.sin式を使う3ステップ(プロパティを選ぶ→Alt+クリックで式を開く→Math.sin式を入力)を説明した操作方法図解Sinは「プロパティを選ぶ → Alt+クリックで式を開く → Math.sin式を入力」の3ステップで、規則的な揺れを作れます。

大まかな作り方は、次の流れです。

  1. 揺らしたいプロパティを決める(位置・回転・スケール・不透明度など)
  2. そのプロパティのストップウォッチを、WindowsではAltキー、MacではOptionキーを押しながらクリックし、エクスプレッションの入力欄を開く
  3. 回転や分離したY位置などの1次元プロパティでは、「value + Math.sin(time * 3) * 50」のように、揺れの速さと大きさを入力する

Math.sin()を使うと、往復するキーフレームを何度も設定しなくても、「プロパティの値+Math.sin()」を組み合わせて、一定の周期で繰り返す往復運動を作れます。

※通常の位置やスケールのように、X・Yなど複数の値を持つプロパティでは、それぞれの値を指定する必要があります。

2秒で1周期にしたい場合は、「Math.sin(time * Math.PI)」とします。

Math.PIは円周率πを表し、値は約3.14です。

Math.sin()では角度をラジアンで扱い、2πラジアン進むと1周期します。

timeは秒単位なので、time * Math.PIでは2秒間で2πラジアン進み、2秒で1周期になります。

Math.PIは、約3.14と考えるとイメージしやすいですが、式にはMath.PIのまま入力するのがおすすめです。

周期を厳密に指定しない場合は、「time*3」のように数字を直接入れ、プレビューを見ながら速さを調整できます。

モーション周期表「Sin」が向いている場面

Math.sinが向いている4つの使用シーン(浮遊/振り子/鼓動/一定リズムの点滅)を並べた用途別図解
  • ロゴやキャラクターを、ふわふわ上下させたいとき(浮遊・待機モーション)
  • 振り子や首振りのような、規則的な往復を作りたいとき(回転に適用)
  • 鼓動・脈動のような、伸び縮みのくり返しを作りたいとき(スケールに適用)
  • 一定リズムで点滅・明滅させたいとき(不透明度に適用。必要に応じて0〜100%に収める調整を行う)

サイン式の主要パラメータの読み方

サナ
サナ
式の中の数字を変えると、動きが変わるんですよね?

どこを操作すれば動きをうまく調整できるでしょうか。

シン
シン
ポイントは「速さ」と「大きさ」の2か所です。

「value + Math.sin(time×速さ大きさと覚えると、どこを操作すればよいか掴みやすくなりますよ

サイン式 value + Math.sin(time*速さ)*大きさ の3か所(速さ・大きさ・中心)の役割を整理した解説図解速さ(timeに掛ける数)と大きさ(Math.sinに掛ける数)の2つを押さえると、サインの揺れは整います。中心は「value」で取得するその時点のプロパティ値が基準になります。

  • 速さ(timeに掛ける数):くり返しの速さを決める。数値の絶対値を大きくするほど、往復する速さが上がります。
  • 大きさ(Math.sin()に掛ける数):どれくらいの幅で揺れるかを決めます。位置ならpx、回転なら度、不透明度やスケールならパーセントポイントとして考えます。
    (スケールや位置のような配列プロパティでは、X/Yそれぞれの書き方に注意します)
  • 中心(先頭の「value」または数値):揺れの中心になる値。「value」を使うと、その時点のプロパティ値を中心に揺れます。

使用例:分離したY位置に「value + Math.sin(time*3)*50」を入力すると、その時点のY位置を中心に、約2.1秒周期で上下に最大50px揺れます。

※周期表どおり「正確に2秒で1周期にしたい場合」は「time*3」ではなく、「time*Math.PI」を使いましょう。

 

補足

①「Math.sin」と90度ずれた波を返す「Math.cos」もあります。

valueに対して、横に「Math.cos」、縦に「Math.sin」を同じ大きさ・同じ速さで足すと円を描く動きになります。

横と縦の大きさを変えると、楕円のような動きになります(周期表のOrbitとの組み合わせ応用も可能です)。

②不透明度に使う場合

不透明度に使う場合は、中心値と振れ幅を調整し、値がおおむね0~100の範囲に収まるようにします。

たとえば、中心を50、振れ幅を50にすると、0~100の範囲で明滅する動きが出来上がります。

サイン式を使えるようになると、上記のような使い方もできようになるので、余裕ができたらチャレンジしてみてください。

※実際の操作手順(プロパティへの式の入れ方・具体値・回転やスケールへの応用・円運動)は、実践編で順を追って解説します。

まとめ|押さえる3つのポイント

Sin を押さえる3つのポイント

① モーション周期表のSinは「規則的にくり返す揺れ」として捉える。ランダムなwiggleとは別軸で、同じ動きをなめらかに往復し続ける

② 作り方は「プロパティ+Math.sin式」。ストップウォッチをAlt+クリックし、value + Math.sin(time*3)*50 のように入力する

③ 慣れるまでは2か所(速さ=timeに掛ける数・大きさ=Math.sinに掛ける数)だけ触る。この2つでサインの基本的な揺れは整う

次は実践編|Math.sinで規則的な揺れを作ってみよう

理解編でサイン式の速さ・大きさを押さえた読者を、実践編で実際に手を動かす段階へ誘導する会話型図解
次の実践編では、プロパティへの式の入れ方から、速さ・大きさの調整、回転やスケールへの応用までを順を追って手を動かしながら確認していきます。