【AE】モーション周期表のWaveとは?|波紋の動きと波表現の違いを解説
モーション周期表のWaveは、「線のうねり」ではなく、中心から広がる波紋を表す動きです。
After Effectsで「Wave」と聞くと、線が横方向にうねる表現を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ただ、モーション周期表で扱う本来のWaveは、中心から波が放射状に広がる動きとして説明されています。
この記事では、まずモーション周期表のWaveの再現方法と、おまけとして、線で波表現を作るときに使える3つの手段もあわせて紹介します。
✅モーション周期表のWaveの動きと基本的な作り方がわかる
✅電波エフェクトの主要パラメータがわかる
✅波表現を作る3つの手段の違いがわかる
モーション周期表のWaveは「波紋の広がり」
- モーション周期表のWaveは、中心から外側へ広がる波紋の動き
- After Effectsでは「電波(Radio Waves)」エフェクト1つで再現できる
- 波形の種類を変えることで、幾何学的な図形にも変化させられる
Waveは「電波」のエフェクトを使う
モーション周期表のWaveは、複雑なシェイプ操作を重ねる必要はなく、After Effects標準の「電波(Radio Waves)」エフェクトを1つ適用するだけで再現できます。
大まかな作り方は、次の流れです。
- 平面レイヤーを新しく作成する
- その平面に「エフェクト」 → 「描画」 → 「電波」を適用する
- 「波形の種類」で、波の元になる形を決める(多角形/イメージの輪郭/マスク)
- 「ウェーブモーション」の周波数・拡張・速度で、広がり方を作る
- 「線」のプロファイル・カラー・開始幅/終了幅で、見た目を整える
本来のWaveは、シェイプを組み合わせて作るというより、「電波」エフェクトを軸に、パラメーター調整で波の表情を変えていく動きです。
向いている場面:
- 水面に広がる波紋を表現したい
- 音波やパルスが外側へ広がる演出を作りたい
- 通知・反応・発信のような「広がって伝わる感じ」を見せたい
- 中心からエネルギーが広がるような演出を作りたい
- 波形の種類を「多角形」にして幾何学的なパターンを作りたい
電波エフェクトの主要パラメータ
「波形の種類」で波の元になる形を決め、「ウェーブモーション」で広がり方を作り、「線」で見た目を整える、という流れです。
- 波形の種類:波が描かれる元の形を決める(多角形/イメージの輪郭/マスク)
- ウェーブモーション:波の広がり方・速度・寿命など、動きそのものを作る
- 線:波の見た目(太さ・色・プロファイル・フェード)を整える
① 波形の種類|波の元になる形を決める
- 多角形:三角・四角・六角形など、角を持った幾何学的な波紋を放射する
- イメージの輪郭:別レイヤーの形(テキスト・図形・イラスト)の輪郭をなぞって波が広がる
- マスク:レイヤーに描いたマスクパスをなぞって波が広がる
波紋を「円形」ではなく「角を持った図形」で広げたいときは、多角形モードを選び、辺の数を変えると幾何学的なシルエットの波が作れます。
文字やロゴから波を広げたいときは イメージの輪郭、自分で描いたパスから波を広げたいときは マスクを使う、という使い分けです。
② ウェーブモーション|波の広がり方を作る
波の広がり方や速度、回転を調整するセクションです。
- 周波数:時間あたりに発生する波の数(増やすと波が重なって厚みが出る)
- 拡張:波が外側へ広がる距離(数値を上げるほど大きく広がる)
- 方向:波の進行方向(2軸で指定。基本は外側へ放射)
- 速度:波が広がるスピード
- スピン:波そのものに回転を加える(うずまき状の動きになる)
- 寿命(秒):波が表示されてから消えるまでの時間
「波紋が外へ広がっていく感じ」を作るときは、「拡張」と「速度」の調整が基本になります。
「周波数」を増やすと波が次々に発生して厚みのある放射に、「寿命」を縮めると短くパッと消える波になります。
③ 線|波の見た目を整える
描かれる波の線そのものを整えるセクションです。
- プロファイル:線の断面形状を選ぶ(サイン波/矩形波/三角波/のこぎり波アウト/のこぎり波イン/ガウス/ベル の7種類)
- カラー:波の色(キーフレームを打って色を変化させると印象的になる)
- 不透明度:波の透明度
- フェードイン時間/フェードアウト時間:波が出現・消失するときのなじみ方
- 開始幅/終了幅:波の太さ(広がるにつれて細くしたいときは「終了幅」を小さく)
「太い帯のような波」「細いリングが消えていく波」「やわらかいガウス状の波」などは、すべてプロファイル・開始幅/終了幅・フェード時間の組み合わせで作り分けられます。
④ 応用:TimeDisplaceとの組み合わせ
さらに「歪んだ波・揺らぎのある波」を作りたいときは、TimeDisplaceを組み合わせると一気に表現の幅が広がります。
- TimeDisplace:ピクセル単位で時間をずらすエフェクト
- 電波エフェクトの上に重ねると、放射する波そのものに「揺らぎ」や「歪み」が乗る
- 水面のゆらぎ・熱気のゆがみ・電磁波の揺れなど、有機的な波の表現につながる
※TimeDisplaceの具体的な使い方は、次回更新予定の記事「TimeDisplace編」で順を追って解説します。
※電波エフェクトの実際の操作手順は、実践編①で順を追って解説します。
After Effectsで線を用いて波線の動きを作る3つの方法
せっかくなので、線で波表現を作る方法もお話ししますね。
波表現を作る代表的な3つの方法を、特徴・向いている場面・操作方法・難易度で比較
- 波形ワープ(Wave Warp):形そのものを、直感的に波打たせたいとき
- wiggle式:不規則な揺れを付けたいとき
- サインエクスプレッション(Math.sin):規則的なくり返しを作りたいとき
① 波形ワープ|線や形をうねらせる
エフェクトをかけて、波の高さや幅をスライダーで調整するだけで変化が見えるので、初めて波表現を作る方には特におすすめです。
- 種類:エフェクト(エフェクト → ディストーション → 波形ワープ)
- 得意:線・帯・図形を規則的にうねらせる動き
- 得意:規則的になめらかにくり返す上下動
- 難易度:★☆☆(コードを書かない)
向いている場面:
- 細い線をやわらかくうねらせたい
- 水面のような上下のゆらぎを足したい
- 布や帯が風で動いているように見せたい
- 背景にゆっくりした動きを足したい
※実際の操作手順は、実践編①(波形ワープ版)で順を追って解説しています。
② wiggle式|自然で不規則な揺れを作る
波形ワープが規則的なうねりを作るのに対して、wiggle は毎回少しずつ違う揺れを作れるのが特徴ですよ。
- 種類:エクスプレッション(プロパティの数値欄に書く)
- 構文:wiggle(周波数, 振幅)
- 得意:手ぶれ・カメラシェイク・自然なランダム揺れ
- 難易度:★★☆(コードを1行書く)
- 使う式:次のような式を書いて使います。
wiggle(2, 30);※「どのくらい・どれだけ揺らすか」を指定する式です
向いている場面:
- カメラの手揺れを出したい
- キャラクターや小物に「生きている感じ」の揺れを足したい
- テキストにふわふわした自然な動きを付けたい
- 炎や煙のような、不規則な動きを作りたい
※実践編②(wiggle 式版)は順次公開予定です。
③ サインエクスプレッション|規則的なくり返しを作る
呼吸のような上下動や、一定のリズムで続く動きを作りたいときに向いていますよ。
- 種類:エクスプレッション(プロパティの数値欄に書く)
- 構文:Math.sin(time * 周期) * 振幅
- 調整:波の高さ・幅・速度をスライダーで調整できる
- 難易度:★★★(数式を組む必要がある)
- 使う式:次のような式を書いて使います。
Math.sin(time * 2) * 50;※一定のリズムで上下する動きを作る式です
向いている場面:
- 呼吸のような、ゆっくりした上下動を作りたい
- 浮遊感・ふわふわした動きを規則的に出したい
- ループ動画でつなぎ目が目立たない規則的な動きが欲しい
- 音波・パルス・ハートビートのような周期的な動きを再現したい
※実践編③(サインエクスプレッション版)は順次公開予定です。
波形ワープ・wiggle・サイン式はどう使い分ける?
そこから、形そのものを変えたいのか、位置や回転などの数値を動かしたいのかを見ると、使う手段が決まりやすくなります。
波形ワープ・wiggle式・サインエクスプレッションの役割の違い- 形そのものを規則的にうねらせたい → 波形ワープ
- 不規則な揺れが欲しい → wiggle式
- 位置・回転などを規則的にくり返したい → サインエクスプレッション
※迷ったら、まずは「何を波らしく見せたいのか」から考えるのがおすすめです。
まとめ|「波紋のWave」を覚えて帰ろう
- モーション周期表のWaveは、「線のうねり」ではなく、中心から広がる波紋。水面に石を落としたときにできる動きをイメージする
- 「電波(Radio Waves)」エフェクトで、Waveを再現できる。平面に適用するだけで放射状に広がる波が作れる。
- 慣れるまでは、「波形の種類/ウェーブモーション/線」の3セクションに絞った操作がおすすめ。
モーション周期表のWaveを理解するときは、まず「放射状に広がる波紋の動き」として押さえるのが出発点です。
そのうえで、After Effectsでは同じ波表現でも、形をうねらせるのか、数値を揺らすのか、規則的にくり返すのかによって使う機能が変わります。
最初は本来のWaveの考え方を理解し、そこから用途に応じて波形ワープ・wiggle・サインへ広げていくと、表現の整理がしやすくなります。
次は実践編|中心から広がるWaveを作ってみよう
次の記事では、モーション周期表のWaveである「中心から広がる波紋の動き」を、実践形式で順番に作っていきます。
モーション周期表の「Wave」を起点として、波形ワープ・wiggle式・サインエクスプレッションへ進んで学んでみましょう。
- 実践編①:モーション周期表のWaveを作る(順次公開予定)
- 実践編②:波形ワープで一本線をうねらせて流す(順次公開予定)
- 実践編③:wiggle 式で不規則な揺れを作る(順次公開予定)
- 実践編④:サインエクスプレッションで規則的なくり返しを作る(順次公開予定)
※実践編は2026年5月末より、順次開設予定です。












