【AE】エクスプレッションとは?初心者向けの使い方を解説
After Effectsのエクスプレッションとは、位置・回転・不透明度などの値を、式で自動的にコントロールする機能です。
キーフレームのように1つずつ動きを打たなくても、繰り返し・揺れ・自動化をまとめて設定できます。
この記事では、After Effectsのエクスプレッションとは何か、キーフレームとの違い、基本的な使い方を初心者向けにわかりやすく解説します。
- After Effectsのエクスプレッションの意味がわかる
- エクスプレッションとキーフレームの違いがわかる
- エクスプレッションの入れ方と基本的な使い方がわかる
- 「wiggle」などの代表的な式の役割がわかる
After Effects:エクスプレッションとは?初心者向けに解説
名前のわりに意外と操作はシンプルなので、まず「何のために使うのか」を押さえたうえで、式の入れ方を覚えましょう
- エクスプレッションを入力すること≒「動きのルールを書く」ようなイメージ
- 式を入力するだけで、プロパティの値を自動で決められる
- 規則性のある動きに特に強く、「表現の幅を広げること」や「作業時間の短縮」に大いに役立つ
※「繰り返しや自動化をしたいとき」や「あとから簡単に修正しやすくするため」に使えるようになりたい機能です。
エクスプレッションは、After Effectsの中で使う「式」です。
位置・回転・不透明度などのプロパティの値を、手で打つ代わりに式で決められます。
たとえば、「同じような変化を何度も作るとき」や「あとから修正しやすくしたいとき」ほど、式で動きを決めた方が効率的です。
「特別な難しい機能」ではなく、値の決め方を手作業から式に置き換える方法として捉えると、ぐっと扱いやすくなります。
After Effectsのエクスプレッションとキーフレームの違い
- キーフレーム:「この時間ではこの値」のように「動きを手動で指定」する手段
- エクスプレッション:「このルールならこう動く」と「動きを式で指定」する手段
たとえば、「0秒で左・2秒で右」と2点を手動で指定するのがキーフレームです。
一方で「時間に合わせてずっと右へ進む」「毎秒少し揺れる」「ランダムに数値が変わる」のようなルールで動きを決めるのがエクスプレッションです。
キーフレームとエクスプレッションの使い分け方
- 単発的な動き → キーフレームが適しています
- 短い動きをピンポイントで調整する場合 → キーフレームが適しています
- 動きを繰り返したいとき → エクスプレッションが適しています
- 動きを自動化したいとき → エクスプレッションが適しています
- あとから調整しやすくしたいとき → エクスプレッションが適しています
【AE】モーション周期表の3族「イージング(Easing)」を使いこなす
※キーフレームの活用方法と、セットで活用できる「イージング」を学べます
エクスプレッションでできること
- 時間に合わせて変化させる
例)time:「今が何秒目か」を使って、回転や移動を継続させる - 動きを繰り返す
例)loopOut(“cycle”):作ったキーフレームの動きをそのまま繰り返す - 揺れやばらつきをつける
例)wiggle(変化回数, 変化幅):値にゆらぎを加えて、自然な揺れを作る - 変化の細かさを調整する
例)posterizeTime(回数):値が更新される回数を減らして、カクッとした動きや段階的な変化を作る
式ごとの細かい書き方を最初から全部覚える必要はありません。
まずは、「何をしたいときに、どの種類の式を使うか」をつかむと、実践しやすくなります。
After Effectsを使うときに役立つ4つの考え方と代表例
①time:時間に合わせて変化させる式
- 「今この瞬間が何秒目か」を表す式
- 時間の進み具合を数字に変換して返す役割
- time*360 のように、後ろに計算式を続けて使うことが多い
time は「時間そのもの」を表す式です。時間が進むほど値が少しずつ増えていくため、後ろに掛け算や足し算を続けることで、回転・移動・点滅などの動きを作れます。
たとえば、回転プロパティに「time*360」を入れると、1秒で360度(1回転)ずつ回り続ける動きができます。
②loopOut(“cycle”):動きを繰り返す式
- 作ったキーフレームの動きを繰り返す式
- 最初に動きを作っておけば、その後を自動でループさせられる
- 使う前にキーフレームが2つ以上必要
loopOut(“cycle”) は、自分で作ったキーフレームの動きをそのまま繰り返すための式です。
先に動きを作り、その上で「この動きを繰り返してください」と指定するイメージで使います。
たとえば、事前に位置や回転へ1往復分のキーフレームを作っておけば、その後は同じ動きが自動で続くようになります。
③wiggle:揺れやばらつきをつける式
- 滑らかな揺れを自動で作る式
- 1つ目の数字が1秒あたりの変化回数、2つ目の数字が変化の大きさ
- 数字が大きすぎると荒れて見えやすいため、まずは弱めから試すと調整しやすい
たとえば「wiggle(2, 30)」なら、1秒に2回くらいのペースで、幅30の強さでゆらゆらと揺れる動きが出来上がります。
手作業でキーフレームを細かく打たなくても、自然な揺れを自動で作れるのが特徴です。
④posterizeTime:変化の細かさを調整する式
- 1秒の中で値が更新される回数を減らす式
- 動きをあえてカクつかせたり、ランダムの変化回数を落としたいときに使う
- 数値が低いほど変化が粗くなり、コマ落ちしたような見え方になりやすい
posterizeTime(更新回数) は、時間の流れを連続的に追うのではなく、一定回数ごとに区切って値を更新する式です。
たとえば「posterizeTime(4)」とすると、1秒間に4回だけ値が更新されるため、滑らかな変化ではなく、少しカクッとした見え方になります。
この式は単体で使うこともありますが、他の式と組み合わせて、変化の見え方を調整するための補助役として使われることも多いです。
After Effects:エクスプレッションの入れ方と使い方
どのように操作すればエクスプレッションを使えるようになりますか?
「エクスプレッションの入れ方
を覚えて実際に式を入れてみる」
下準備:確認用の作業画面を作る
1. コンポを作成する
- 解像度:1920×1080、フレーム30fps
- 時間:4秒
※ショートカット:Ctrl + N(Mac:⌘ + N)
2. 確認用のレイヤーを作成する
- 楕円形ツールで円を1つ作成する
- 背景用の平面を下に追加する(黒や暗めの色にすると円が見やすい)
実践:After Effectsでwiggleを不透明度に入れる方法
- 対象プロパティのストップウォッチを「Alt(Win)/Option(Mac)を押しながらクリック」
- エクスプレッション入力欄が開くので、式を入力(または貼り付け)する
エクスプレッションを開く手順
- シェイプレイヤーを選択する
- 不透明度を表示する
※短縮キー:T - 不透明度のストップウォッチを「Alt(Win)/ Option(Mac)+クリック」
- エクスプレッション入力欄が開いたら、式(wiggle)を貼り付ける
wiggle(2, 30);※このままコピペしてください(コピーすると自動で半角になります)
※プレビューすると、円が小刻みに点灯するような動きになれば、OKです。
エクスプレッションに入れる式は、同じでも入れるプロパティで変化する
wiggle(2, 30); を、別のプロパティ(位置と回転)に入れてみましょう。
- 不透明度(Tキー)に入れる → 明るさが揺れる
- 位置(Pキー)に入れる → 場所が揺れる
- 回転(Rキー)に入れる → 角度が揺れる
式は同じでも、入れるプロパティが変われば見え方が変わります。
「入れるプロパティの違いによってどのような表現の違いが出るか」を確かめながら使うと、表現の幅を広がります。
式の詳しい使い方・数値の調整方法は、それぞれの記事で解説する予定です。
エクスプレッションで失敗しやすい3つの注意点
知っておくだけで、作業中の混乱がかなり減ります
1.式の「入れる場所」を意識しよう
- エクスプレッションは、どこに入れても同じ結果にはなるとは限らない
※同じ式でも、入れる場所(位置・不透明度・回転など)が違えば見え方も変わります。
たとえば「wiggle」を不透明度に入れると明るさが揺れて見える一方で、位置に入れると対象が揺れて見えます。
「どの式を使うか」と同じくらいに「どこに入れるか」も意識して動きを調整する意識しておくと、表現のコントロールが効きやすくなります。
2.調整は「少しずつ」を意識しよう
- 最初は、数値を「1か所ずつ」かつ「少しずつ」変えるのがコツ
※一度に多くを操作すると、どの操作が原因かが特定できなくなります。
変化が大きすぎると「どの数値が影響しているか」が特定できなくなるため、少しずつ調整しましょう。
特に、大きな変化をする場所から調整を始めることがコツです。
3.式は「完コピ」を意識しよう
- エラー原因の大半は、「式のスペルミス」・「()の閉じ忘れ」・「全角入力」によるもの
※1文字でも間違えたらエラーが出ます
「特殊なエラー」よりも入力ミスが最も多い原因です。
難しく考える前に、「スペル」や「全角半角」の確認を徹底しましょう。
まとめ:After Effectsのエクスプレッションとは?
今回は、エクスプレッションの考え方を整理し、実際にプロパティへ式を入れて動きの変化を確認しました。
- エクスプレッションは「値の決め方を式に置き換える方法」
- 単発の動きや細かな微調整をしたい場合はキーフレーム、繰り返しや自動化・完成後の調整のしやすさを考えたい場合はエクスプレッションが適切
- 細かい書き方より先に「何をしたいときに使うか」を押さえると、実践でつまずきにくくなる
wiggle(2, 30);※このままコピペしてください(コピーすると自動で半角になります)
※不透明度にあるストップウォッチを「Alt(Win)/Option(Mac)を押しながらクリック」です。
実際に点滅したらOKです。
おわりに~エクスプレッションを実際に試してみよう~
少しずつでも良いので、色々な式を制作に取り入れてみましょう













