【After Effects】エクスプレッションエラーの解決方法
After Effectsで作業を始めて1時間――まったく進まなくて心が折れそうです。
この記事を読めば、エクスプレッションエラーにどう向き合えばよいかが見えてくるはずです。
After Effectsで式を入れたのに動かなかったり、警告が出たりすると、何が起きているのか分からなくなりますよね。
式そのものの難しさより、「どこを見ればいいのかが分からない」ことで難しさを感じるのではないでしょうか。
本記事では、エクスプレッションエラーの傾向と対処法を整理し、原因を大まかに切り分けられるように解説します。
✅エクスプレッションエラーが起きる4つの原因がわかる
✅エラー文を見たときの考え方がわかる
✅実際にどこから確認すればよいかがわかる
エクスプレッションエラーって何?
エラーが出たときは、「式として成立していて、結果を返せるか」という視点を持つことが大切です。
- 「エクスプレッションエラー=エクスプレッションを正しく読めていない状態」であり、難しい計算を間違えた状態とは限らない
- 初心者がよく出会うエラーの多くは、打ち間違いや記入漏れ、使う場所の取り違え
- エクスプレッションの意味を理解するより先に、どんなときにエラーが出るのかを理解することが先決です
数学では、計算式を間違えても、最後まで計算すれば何かしら答えは出ます。
一方で、After Effectsのエクスプレッションは、式に問題があると判断した時点で計算を止める仕組みになっています。
イメージとしては、暗証番号を1文字ずつ照合し、違っていた時点で止まるようなものです。
エクスプレッションエラーの原因を4つに分けて考える
つまり、式に詳しくなくても、傾向さえつかめば対応できるということです。
- スペルミス
- 記号のミス
- 入れる場所のミス
- 値や対象のミス
エクスプレッションエラーの原因①:スペルミス
- エラー原因として「関数名のスペルミス」が特に多いため、最初に確認する
例:「正:random」と「誤:randam」(ローマ字で入力してスペルミスしたパターン) - 大文字と小文字の違いも判定の対象になる
例:「正:loopOut」と「誤:loopout」(Oを小文字にしてしまったパターン) - 全角の英数字が混じっていてもエラーの原因になる
例:「randomSeed」と「randomSeed」(rが全角になっているパターン)
※After Effectsは、こうした入力を自動で補正してくれないため、正確に書く必要があります。
エクスプレッションエラーの原因②:記号のミス
- かっこの閉じ忘れがないか確認する
例:「loopOut(‘cycle’_」(かっこを閉じ忘れたパターン、コピー&ペースト後や修正時に起きやすい) - 引用符(” ” または ‘ ‘)やカンマ(,)、セミコロン(;)なども確認する
例1:「loopIn(“pingpong‘)」(“と’の対応関係が合っているか確認する。対応していれば、どちらも使える)
例2:「time*120:」(セミコロンとコロンは役割が違う) - コピー&ペーストしたときや、後から式を書き換えたときに起きやすい
※一か所ずつ入力・修正して、その都度確認すると、エラーの原因箇所を特定しやすくなります。
エクスプレッションエラーの原因③:入力場所の間違い
- 式を入れている場所が正しいかを確認する
例:「不透明度向け」に作った式を「位置」に入れてしまった - プロパティと式の組み合わせを確認する
例:不透明度に入れる想定の「random(0,100)」を、位置に入れると、エラーや意図しない動作の原因になることがある - 対象レイヤーが正しいかを確認する
例:Aレイヤーに入れるつもりがBレイヤーに入れていた
(選択ミスで意図しないレイヤーに式が入ることがある)
※式の内容より先に「どのプロパティに式を入れているか」を確認すると、場所のミスを早く特定できます。
プロパティを先に確認するようにします。
なぜ「random」を位置に入れるとうまくいかないことがあるのか?
randomは、指定した範囲の値をランダムに返すための関数です。
ただし、使い方によっては、1つの値を返す形で書かれていることがあります。
不透明度は「0~100%」の1つの軸で管理されているので、randomを使えます。
一方で、位置のプロパティは、「X軸とY軸」という2つの値を扱います。
X軸とY軸の数値を変えることで、レイヤーの位置が上下左右に変わります。
そのため、位置のように複数の値を扱うプロパティでは、書き方を合わせないとエラーになることがあります。
(位置にもrandomを使う方法がありますが、複雑な内容になってしまいます。「値の数や書き方が合っていないと、うまく動かないことがある」という点だけ頭の隅に置いておいてください)
エクスプレッションエラーの原因④:値や参照先のミス
- 「参照先のレイヤー名の不一致」が原因になりやすい
例:式内に「テキスト1」と書いてあるが、レイヤー名を「タイトル」に変更してしまった(名前を変えたときは式の参照先も更新が必要) - エフェクト名の表記が、式の中の記述と一致しているか確認する
例:「スライダーコントロール(日本語UI)」と「Slider Control(英語UI)」は別物として扱われる(AEの言語設定によって変わるため、環境によってエラーが出ることがある) - 参照先が存在しなければ、式の書き方が正しくてもエラーになる
例:削除済みのレイヤーやエフェクトを式が参照したままになっている
(式そのものは合っていても、参照先が存在しないとエラーが出ます)
※参照先を手入力するより「ピックウィップ(渦巻きマーク)でつなぐ」と名前の不一致が起きにくい
うっかりしそうです。
体験談:After Effectsを長く使っていくなら「半角入力」に慣れておいた方がいい
スペルミスと記号ミスは、日本人クリエイターが特に直面しやすいエラーです。
理由は全角文字の存在です。
全角と半角は人の目では見分けにくく、コピペ時に混在していても気づかないことがあります。
エラーを防ぐための対策の一つとして、式に関わる入力はすべて半角で行うことを意識しておくとよいでしょう。
たとえば、レイヤー名をあらかじめ英数字にしておくと、式内で参照するときに全角が混入しにくくなります。
いきなり全ての操作を半角にするのはハードルが高いので、「式まわりは全部半角」と決めておくだけでも、エラーの発生頻度はかなり下がります。
ちなみに、作業を効率よく進めるうえでは、ショートカットキーを使えた方が便利なため、そうした操作も、半角入力に慣れていると扱いやすくなります。
いずれにせよ、半角入力に慣れておいた方がよいと言えるでしょう。
エラーが出たときは4ステップで確認する
傾向ごとに確認した方が、どこに問題があるのかを特定しやすいです。
- 式のスペルを確認する
- カッコや引用符を確認する
- 入れる場所を確認する
- 最後に参照先を確認する
ここまでのまとめ:式エラーを理解するポイント
- 式は1文字でも間違っているとエラーになることがある
- エラーの多くは入力ミス
- まずはスペル、記号、入力場所、参照先の順番に正しいかチェックする
初めから難しい式を覚えたり使ったりする必要はないので、エラーが出たときはこの記事の内容を参考に、1つずつ地道に対処しながら学んでいきましょう。













