After EffectsのLoop実践編で、背景が延々と流れる動きを作ることを説明した会話型図解
Loop実践編では、素材の用意からオフセット適用、中央でシフトのキーフレーム、シフト量=画面サイズで切れ目をなくすまでを順番に確認していきます。

 

理解編で「Loopは、画面の中身を上下左右に延々と流し続ける動き」と整理しました(同じ動きを繰り返すエクスプレッションとは別物です)。

この記事では、その流れを実際に手を動かして作っていきます。

ループに向いた背景素材を用意するところから始め、オフセットエフェクトを適用します。「中央でシフト」にキーフレームを打って画面を流し、最後にシフト量を画面サイズに合わせて、切れ目のないループにするところまで進めます。

Loop実践編の流れを5ステップ(素材用意→オフセット適用→中央でシフトのキーフレーム→画面サイズ一致→仕上げ)でまとめたダイジェスト図解

 

この記事でできること

素材にオフセットを適用して画面を流す手順がわかる
「中央でシフト」のキーフレームで延々と流す方法がわかる
シフト量を画面サイズに合わせて、切れ目のないループにする方法がわかる

※Loopの考え方から確認したい方は、理解編をご参考ください。

今回のゴールは「画面が延々と流れるループ」を作ること

今回作るLoopモーションの特徴

画面の中身が上下左右に延々と流れる表現を作る

中央でシフトのキーフレームで流れる方向と速度を作る

シフト量=画面サイズで切れ目のないループにする

After EffectsのLoop実践編で、止まった背景がオフセットで延々と流れるようになる完成イメージを説明した図解
今回は、素材にオフセットを適用し、中央でシフトを動かして背景が延々と流れる動きを作ります。

 

作業前に準備するもの

サナ
サナ
いきなりオフセットをかける前に、何を用意すればいいですか?
シン
シン
ループに向いた素材(背景・模様・テクスチャ)と、それを置くコンポジションを先に用意します。端がつながって見える素材だと、きれいなループにしやすいですよ。

下準備1:コンポジションを作成する

新規コンポジションを作成します。練習用なので、次のような設定で問題ありません。

コンポジション設定の例

サイズ:1920×1080px
フレームレート:30fps
デュレーション:5秒
背景色:任意

下準備2:ループに向いた素材を用意する

延々と流したい素材を読み込み、タイムラインに配置します。今回は**背景・模様・テクスチャなど、繰り返しに向いた素材**を1つ用意します。

ポイントは、**端と端がつながって見える素材**を使うことです。写真や一枚絵のように端の差が大きい素材だと、流したときに境目が見えやすくなります。

※きれいなループにするには、レイヤーとコンポジションの**サイズをそろえておく**と分かりやすくなります。サイズが違うと、シフト量の基準も変わります。

下準備3:オフセットを探す場所を確認する

オフセットは、After Effectsのエフェクトメニューから適用します。

オフセットを適用する場所

対象レイヤーを選択

エフェクト

ディストーション

オフセット(Offset)

環境によって表示名が英語の場合は、「Distort」内の「Offset」を探してください。なお、ここで使う「オフセット」は**ディストーション系のオフセットエフェクト**で、シェイプレイヤーの「パスのトリミング」のオフセットとは別物です。

After EffectsでLoopを使う前に、コンポ作成・ループ向き素材用意・サイズ統一・オフセットの場所確認を行う流れの図解
オフセットを適用する前に、コンポ・ループ向き素材・サイズ統一・エフェクトの場所を確認しておきます。

 

実践1:素材にオフセットを適用する

サナ
サナ
素材を置いたら、次は何をすればいいですか?
シン
シン
配置した素材レイヤーを選択して、オフセットを適用します。まずは細かい調整より、「中央でシフトを動かすと画面が流れるか」を確認しましょう。

手順1:素材レイヤーを選択する

タイムライン上で、先ほど配置した素材レイヤーを選択します。

ここで別のレイヤーを選んでいると、思った場所にオフセットが適用されません。

手順2:オフセットを適用する

レイヤーを選択した状態で、次の順番でオフセットを適用します。

エフェクト

ディストーション

オフセット

適用できると、エフェクトコントロールパネルにオフセットの設定項目(中央でシフト・元画像とブレンド)が表示されます。

手順3:中央でシフトを動かして表示を確認する

オフセットを適用したら、**中央でシフト**の数値を変えてみて、画面の中身が動くか確認します。一方の端から押し出された映像が、反対側から戻ってくれば成功です。

この段階では流れ方が理想通りでなくても問題ありません。大事なのは次の3点です。

・対象の素材レイヤーにオフセットが適用されている
・エフェクトコントロールに中央でシフト・元画像とブレンドの項目が表示されている
・中央でシフトを動かすと、画面の中身がスライドして反対側から戻ってくる
最初から完成形を目指さず、まずは「オフセットで画面の中身が循環するか」を確認する。

Q&A:中央でシフトを動かしても画面が流れないとき

サナ
サナ
中央でシフトを動かしたのに、画面が流れている感じがしません……。
シン
シン
無地に近い素材だと、画面が動いても変化が見えにくいことがあります。模様や柄のある素材で、中央でシフトのXまたはYの数値を大きめに変えて確認してみましょう。
  1. 模様・柄のある素材になっているか確認する
  2. 中央でシフトのX(横)またはY(縦)の数値を大きく変えてみる
  3. 画面の中身が押し出され、反対側から戻ってくるか確認する

After Effectsで素材レイヤーを選び、ディストーションからオフセットを適用して中央でシフトで画面が流れるか確認する流れの図解
オフセットは、対象レイヤーを選択して「エフェクト → ディストーション → オフセット」の順に適用します。

 

実践2:シフト量を画面サイズに合わせて切れ目をなくす

サナ
サナ
画面は流れたんですけど、ループさせるとつなぎ目でガクッと飛んでしまいます……。
シン
シン
切れ目のないループにするコツは、**開始と終了のシフト量の差を、画面の幅(横ループ)か高さ(縦ループ)に一致させる**ことです。ぴったり1画面ぶん動かすと、つながって見えます。

中央でシフト(Shift Center To):流れる方向と速度を決める項目

中央でシフトは、画面の表示位置をXY座標でずらす項目です。ここにキーフレームを打つと、時間とともに画面が流れます。

中央でシフトの考え方

Xを動かす:横方向(左右)に流れる
Yを動かす:縦方向(上下)に流れる

**目安:横ループは X を、縦ループは Y を中心に触る**
(基本のLoop再現では、まずこの「中央でシフト」だけにキーフレームを打てばOK)

元画像とブレンド(Blend With Original):元画像と混ぜる比率

元画像とブレンドは、オフセット後の映像と元の映像をどれくらい混ぜるかを決めます。基本のLoop再現では触らなくて大丈夫です。

**目安:基本は0%のまま**
(混ぜると流れが二重に見えることがあるので、ループを優先するなら触らない)

切れ目をなくすコツ:シフト量=画面サイズに合わせる

つなぎ目で飛ばないループにするには、**開始から終了までのシフト量の差を、画面の幅または高さに一致させます**。

切れ目のないループの例(横1920pxのコンポ)

0秒:中央でシフト X = 960(初期値・画面中央)
終了:中央でシフト X = 960 + 1920(1画面ぶん動かす)

ちょうど1画面ぶん動かすと、最後のコマと最初のコマがつながり、繰り返しても切れ目が見えにくくなります。

中央でシフトで「流れる方向と速度」、シフト量=画面サイズで「切れ目対策」。元画像とブレンドは基本触らない。

Q&A:素材の端で境目が見えてしまう

サナ
サナ
シフト量は合わせたのに、素材の端で線のような境目が見えてしまいます……。
シン
シン
素材そのものの端と端がつながっていないと、シフト量を合わせても境目が出ます。タイル状につながる素材(シームレス素材)にするか、模様で境目が目立たない素材を選びましょう。
  1. 素材の端と端がつながる「シームレス」な柄になっているか確認する
  2. レイヤーとコンポジションのサイズがそろっているか確認する
  3. 境目が出る素材は、模様で目立たないものに差し替える

After Effectsのオフセットで、シフト量が画面幅と一致しない場合(切れ目が飛ぶ)と一致する場合(つながる)を比較した図解
切れ目のないループは、開始と終了のシフト量の差を画面の幅(または高さ)に一致させると作れます。

 

実践3:中央でシフトのキーフレームでループさせる

サナ
サナ
流す方向と切れ目対策はわかりました。実際に延々と流すには、どう打てばいいですか?
シン
シン
**中央でシフトに2つのキーフレーム**を打ちます。開始と終了で、ちょうど1画面ぶんの差をつけるのがポイントです。あとはそのキーフレーム区間を繰り返せば、延々と流れます。

手順1:中央でシフトにキーフレームを打つ

中央でシフトを開き、開始位置で **ストップウォッチマーク** をクリックしてキーフレームを打ちます。

次に終了位置へ進めて、横ループなら X を「初期値+画面幅」に変更します。これで、1画面ぶん流れる動きになります。

ループのキーフレームの例(横1920px)

0秒:中央でシフト X = 960
2秒:中央でシフト X = 2880(960+1920)

手順2:流れる速さはキーフレームの間隔で調整する

流れる速さは、2つのキーフレームの間隔で調整できます。間隔を詰めると速く、広げるとゆっくり流れます。

流れる速さの考え方

1画面を1秒で:速い
1画面を2秒で:標準
1画面を4秒で:ゆったり背景向き

手順3:レーダー風など組み合わせる(任意・応用)

モーション周期表では、Loopは**他のモーションと組み合わせる**使い方も紹介されています。たとえば**Loop+Orbit**のように、流れる背景の上に円周上を回るパーツを重ねると、レーダー・ソナー風の演出に発展できます。

  1. 流れる背景の上に、円や点など別のレイヤーを重ねる
  2. 重ねたレイヤーを円周上に回す(Orbitなどの回転)
  3. 背景ループ+回るパーツで、レーダー・ソナー風の画面に仕上げる
「延々と流す」は中央でシフトのキーフレームで作る。「演出の幅」は回るパーツなどを重ねて広げる。

Q&A:キーフレームを打ったのにループでガクつく

サナ
サナ
キーフレームを打ってループさせたら、つなぎ目で一瞬ガクッと飛びます……。
シン
シン
シフト量が画面サイズとぴったり合っていないと、つなぎ目で飛びます。差をちょうど画面幅(または高さ)に合わせ、キーフレームのイージングはリニア(直線)にすると、なめらかにつながります。
  1. 開始と終了のシフト量の差が、画面の幅(または高さ)とぴったり一致しているか確認する
  2. キーフレームのイージングがリニア(一定速度)になっているか確認する
  3. 触っているのが「オフセット」内の中央でシフトか確認する

After Effectsのオフセットで、中央でシフトのキーフレームにより背景が1画面ぶん流れて切れ目なくループする流れを0秒/1秒/2秒で示した図解
中央でシフトに1画面ぶんのキーフレームを打つと、切れ目のないループモーションが作れます。

 

完成動作を見てみよう

ここまでの操作で実際にどんな動きになるか、完成動作を確認しておきます。

仕上げ:速度と素材で質感を整える

ループの基本ができたら、最後に質感を整えます。**流れる速度** と **素材のつながり** を調整し、表現に合わせて選びます。

仕上げで触る項目

流れる速度:キーフレーム間隔で調整(背景はゆっくり目が落ち着く)
流れる方向:中央でシフトのX(横)/Y(縦)で切り替え
素材のつながり:シームレス素材にすると境目が消える

※ループ素材として書き出したいときは、キーフレーム区間(1画面ぶん)をそのまま動画やGIFとして書き出すと、繰り返し再生で延々と流れる素材になります。

オフセット本体で流れと切れ目対策を作り、速度や素材のつながりは最後に質感を整えるために使う。

まとめ:Loopは「用意する→流す→サイズを合わせる→仕上げる」の順番で考える

今回のまとめ

1. ループに向いた素材を用意して オフセット を適用する(ディストーション→オフセット)
2. 中央でシフトにキーフレームを打って、画面を流す
3. 開始と終了のシフト量の差を画面サイズに合わせて、切れ目をなくす
4. 速度・方向・素材のつながりで質感を仕上げる

Loopは、素材にオフセットをかけて、中央でシフトのキーフレームで流し、シフト量を画面サイズに合わせて切れ目をなくすモーションとして考えると扱いやすくなります。

After EffectsのLoop実践編で、素材用意・流す・サイズ合わせ・仕上げの流れを振り返る会話型図解
Loopは、素材にオフセットをかけて、中央でシフトで流し、シフト量を画面サイズに合わせると扱いやすくなります。

 

うまくいかない時の3チェック

ここまでの手順通りに進めても、思った通りにならない場合は、以下の3点を順番に確認してください。

うまくいかない時の3チェック

① バージョン・UI言語の確認
After Effects のバージョンや日本語/英語UIによって、エフェクト名・メニュー名が異なる場合があります。「オフセット」が「ディストーション」内に見つからない場合は、英語版で「Distort」内の「Offset」を探してください。

② 画面が流れない/変化が見えない
・対象レイヤーが選択された状態でオフセットを適用したか
・素材が無地に近く、動いても変化が見えにくくなっていないか
・中央でシフトのX(横)またはY(縦)の数値を十分に変えているか

③ ループでつなぎ目が飛ぶ
・開始と終了のシフト量の差が、画面の幅(または高さ)と一致しているか
・素材の端と端がつながる(シームレス)になっているか
・キーフレームのイージングがリニア(一定速度)になっているか

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