After Effectsのモーションを整理した「モーション周期表」を再現する過程で学んだ内容を、初心者向けにまとめます。
本記事では、その中でも「ノイズ(Noise)」に絞って、役割・設定・使いどころ・つまずきポイントを初心者向けにまとめます。

※英語表記:Noise(AEの日本語UIでは「ノイズ」)

この記事でできること

ノイズ(Noise)の役割(いつ足すべきか)がわかる
「質感・馴染ませ・ざわつき」を足す基本を再現できる
✅ノイズ(Noise)の操作での「つまづきポイント」がわかる

ノイズ(Noise)とは?

サナ
サナ
ノイズって「画面を汚す」イメージなんですが…どのように制作に生かせばいいのでしょうか?
シン
シン
ノイズは汚すためではなく、映像全体を「馴染ませる」ために使います。ノイズを使う場面についてお伝えしますね

ノイズは、画面に細かなムラを足して、素材同士の硬さの差をならすためのエフェクトです。

ノイズを使う目的例

  • 素材に「ざらつき」を足して、表現したい質感を出す
  • 合成などで起こる「貼り付けた感」を減らして、馴染ませる
  • 不穏さや荒れた雰囲気を映像で表現する

 

ノイズを確認しやすくする下準備

サナ
サナ
教えてもらう前に、事前にやってほしいことはありますか?
シン
シン
ノイズの変化が「表示倍率100%で確認できる状態」を目指しましょう。そこから活用方法についてお伝えします

1.コンポを作成する

  • 解像度:1920×1080、フレーム:30fps
  • 時間:5秒

※ショートカット:Ctrl + N(Mac:⌘ + N)

2.確認用の素材を作成する(どれでもOK)

  • 例:シェイプレイヤー(長方形)を中央に配置
  • 操作手順:「レイヤー」>「新規」>「シェイプレイヤー」

この後の操作で使う前知識

  • 「ノイズ」エフェクトの反映方法:
    「レイヤー選択」→「エフェクト」→「ノイズ&グレイン」→「ノイズ」
  • ノイズは表示倍率とプレビュー解像度で見え方が変わるため、「表示倍率100%」「プレビュー解像度フル」を目安に調整します。
出典:Adobe After Effects(© Adobe Inc.)

ノイズで「質感(ざらつき)」をだす

シン
シン
最初は「気づかれない程度のノイズ」を入れてみましょう。コツを掴めれば、合成を馴染ませるときにそのまま応用できます

ノイズの設定項目について

シン
シン
最初は、「ノイズ量」「カラーノイズの使用」の2点だけ意識しましょう。カラーノイズはOFFがおすすめです
出典:Adobe After Effects(© Adobe Inc.)

 

  • ノイズ量ノイズの強さを決める項目
  • ノイズの種類「カラーノイズの使用」を切り替える項目
  • クリッピング:はみ出した明るさを切って、黒〜白の範囲に収める設定
クリッピングについて

クリッピングは、明るさの値が範囲外に出た場合に、0~1の範囲へ収めて見え方を安定させる設定です。

明るさは、 「黒=0、白=1」 と基準とする0~1の範囲で決められています。

ところが、露光量やグロー、加算合成などで明るさが足されると、値が1を超える場合があり、そのままだとギラつきや不安定さにつながりかねません。

クリッピングは、こうしたはみ出した値を上限・下限で切り詰め、明るさを範囲内に保つ役目を果たしています。

サナ
サナ
音割れみたいなことが、映像でも起こるんですね
シン
シン
ノイズ単体で「クリッピング」を使う場面は多くありません。ただ、露光量やグロー、加算合成などを組み合わせていくと、想定外にギラついたり不安定になることがあります。そんなときに「はみ出しを切って安定させる設定があったな」と思い出せれば十分です

ノイズの設定・調整手順について

  1. 対象レイヤー(今回はシェイプレイヤー)を選択して「エフェクト」>「ノイズ&グレイン」>「ノイズ」でノイズを反映させる
  2. 「ノイズ量(Amount of Noise)」で強さを調整する
  3. 表示倍率100%にして「ノイズ量を足しすぎていないか」をチェックする

目的に応じたノイズの設定方法

  • 質感の調整をしたい場合:8〜20が目安
  • 合成などを行ったときに映像へ馴染ませたい場合:1〜6」が目安
  • 演出として使いたい場合:20〜60が目安
サナ
サナ
演出以外の使い方だと、ノイズは控えめがいいんですね。「ノイズを足しすぎている」とかって、どのように判断していますか?
シン
シン
状況にもよりますが、「ノイズが入っている」と目で分かる量は「足しすぎ」です。「ノイズを入れているけど、気づかれないライン」を狙って調整してみましょう

 

ノイズはどのレイヤーにかける?

サナ
サナ
ノイズって、どこにかければいいんだろう?
シン
シン
迷ったら「調整レイヤー」で全体に薄くかけると良いでしょう。テキストやUIなど「素材の質感」を出したい場合は、対象レイヤーに直接ノイズをかけましょう

調整レイヤーの作り方

  • 「レイヤー」>「新規」>「調整レイヤー」
  • 調整レイヤーにノイズを適用
  • ノイズ量を2〜6%からスタートして、100%表示で確認
レイヤー情報は、上から優先的に反映される
出典:Adobe After Effects(© Adobe Inc.)
サナ
サナ
全体にノイズを反映させたいときは、調整レイヤーを一番上に配置するのが良さそうですね
シン
シン
エフェクトの設定が反映されない場合は、レイヤーの順番をチェックしてみましょう

 

ノイズを「使う場面」とは?使うタイミング7選

サナ
サナ
ノイズの操作は大丈夫そうだけど……結局、どの場面で使えばいいの?
シン
シン
ノイズの使い方を7パターン紹介します。どれかに当てはまった場合は、ノイズを試してみましょう

1:素材がツルツルで「CGっぽさ」を感じる

ケース:質感が均一で、光や影が「塗ったよう」に見える

対処法:質感を見せたいなら、質感の調整(8~20%)」を目安に調整する

注意:汚れに見えやすいので、自然に馴染ませたいだけならノイズ量を2~6%の範囲で止める。100%表示で粒が見える手前の調整が自然

2:文字・UIが綺麗すぎて映像全体で見ると「浮いてしまう」

見分け方:テロップや枠だけ「くっきり」しすぎて背景となじまない

対処法:UI(または全体)に、「馴染ませる目的」で1~6%の薄いノイズを入れる。

注意:強いとチラつきやすい。まずは低い範囲で調整し、足りないときだけ量を少し上げる

3:合成箇所が馴染まず「貼った感」が出る

見分け方:手前の素材だけ質感が合っていない、合成箇所の境目が気になる

対処法:調整レイヤーで全体に薄く(1~6%)かけて統一感を作る

注意:局所より全体の統一を優先する。合成素材だけに強くかけると、逆に違和感が出てしまう

4:グラデーションが階段状に見える(バンディング)

見分け方:空・光・影のなめらかな部分が「階段状」に見える

対処法:調整レイヤーで全体に薄く(1~6%)ノイズを入れて、段差を散らす

注意:入れすぎるとザラつきが目立つ。効果が弱く感じても薄めで止めた方が安全

5:発光(Glow)がベタ塗りっぽく見える

見分け方:光が綺麗すぎて、「デジタル感」や「ベタっとした発光」に見える

対処法:調整レイヤーで、光の周辺だけに薄め~中ぐらいのノイズ(8~18%)を足して空気感を作る

注意:色粒が汚れに見えやすいので、光に使うときはカラーノイズはOFF推奨

6:炎・煙・雷などが人工的に見える

見分け方:自然物なのに、エッジが綺麗すぎる、パターンが規則的に見える

対処法:狙った部分だけ、強め(40~60%)にノイズを入れて「粗さ」を作る

注意:全体に強くかけると絵が崩れる。マスク等を使って局所に限定する

7:静かすぎる、もっと不気味さや緊張感を出したい

見分け方:映像が「静止している感じ」、ざわつきが足りない

対処法:視聴者が分かるレベルで、40%以上のノイズでざわつかせる

注意:チラつくと疲れるので、短い尺もしくは局所に限定した使い方がおすすめ

ここまでのまとめ:ノイズ(Noise)を使うポイント

  • ノイズは「汚す」のではなく、均一さを壊して馴染ませるために使う
  • ノイズを足すか迷った場合は、「紹介した7つのパターン」のいずれかに当てはまるかで判断する
  • まずは調整レイヤーで全体に薄く(ノイズ量1~6%)を意識して使うのが安全

ノイズ(Noise)のトラブル対処法 3選

ケース1:ノイズが見えない

サナ
サナ
ノイズを上げたのに、変化が分かりません
シン
シン
まずは「表示倍率」「プレビュー解像度」を確認しましょう。ちなみに、「見えること」ではなく「映像の違和感を減らすこと」がノイズを入れる目的なので、見えなくても問題ありません
  1. 表示倍率が50%以下で、ノイズの粒が間引かれて見落としている
    表示を100%にして確認してみる
  2. プレビュー解像度が「1/2画質」もしくは「1/4画質」になっている。(細部が潰れて表示されている)
    プレビュー解像度を「フル画質」にして再確認する
  3. 素材が小さい、暗い、コントラストが低いため、ノイズが目立ちにくい
    →明るい面やグラデーション部分など「ノイズが出やすい場所」でチェックする

ケース2:ノイズが目立ったり、映像が荒れたりして汚く見える

サナ
サナ
いい画質で編集していたはずなのに、映像が汚れて見えるような……
シン
シン
「ノイズ量が多い」か、「カラーノイズ」が原因です。演出を除けば、表示倍率100%で粒が見えるレベルの調整は「やりすぎ」です
  1. ノイズ量が強すぎる
    ノイズ量を1~6%を目安に調整する
  2. カラーノイズがONで、色粒が悪目立ちしている
    カラーノイズをOFFにする
  3. 合成素材だけノイズを強くかけすぎている
    調整レイヤーで全体を薄く調整する。必要なら局所にノイズを入れる

ケース3:チラついて落ち着かない(目が疲れる)

サナ
サナ
映像がチカチカして、目が疲れますね
シン
シン
ノイズは視覚的な情報量が増えるので強いとチラつきとして感じやすいです。ノイズは「弱める調整」をこころがけ、演出で使う場合は「短く・局所的」を意識しましょう
  1. ノイズ量を1~6%に下げてから調整する
  2. 演出で使う場合は尺を短く局所に限定する
  3. 表示条件で見え方が変わる場合があるので、プレビューだけでなく書き出しでも最終確認する

おわりに~ノイズ(Noise)を試してみよう~

サナ
サナ
ノイズって演出以外にも、素材を映像に馴染ませるための仕上げに使えるんですね。使う場面が想像できました!
シン
シン
あなたの作っているモーションに「足すべきサイン」が出たとき、ノイズを試してみてください

【記事の制作裏話はこちら(note:Hiromuの探求部屋)】

制作中に気づいたポイントや、つまずきやすい部分の補足もまとめています。時間があるときに、よければ覗いてみてください。